創作(小説執筆)の腕を上げるための最良の5つのサイクル
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この記事の作者はプロのラノベ作家です。
小説は腕が上がっているのが実感し辛い、または腕を上げる方法がわかりづらいジャンルだと思います。
スポーツのようにルールが明確ではなく、自由度が高いからではないかと思います。
個人的に小説の腕を上げるための良い方法は
①、どのジャンルで結果を出すか決める。Web小説、ラノベ新人賞、文芸、すべて読者ニーズが異なるため。
②、①で決めたジャンルで今現在、流行している作品、人気のある作品を読んで、その読者ニーズや作品構造を分析する。分析のやり方は、人気作の共通点を探すこと。
③、②で知った共通点を盛り込んだ作品を書いて、投稿してみる。
④、審査員や読者からのフィードバックを受けて、もしうまくいかなかったら、失敗の原因を考える。成功した場合でも何が成功要因だったのか? 再現性はあるのか? 考える。
⑤、④で考えた、こうすれば成功できるのではないか? これが失敗要因だったのではないか? という仮説を元に、そこを改善した作品を書いてみて、再び投稿してみる。
あとは、②~⑤の過程を繰り返す。
ことだと考えていますが、基本はこのやり方で、合っていますでしょうか?
小説はアイディア勝負の部分がありますが、いつも良いアイディアが浮かぶとは限らないので、再現性のある成功法則を体得すること、これを常にアップデートし続けることがが、プロ作家として長く活躍するために必要だと考えています。
A.「小説は腕が上がっているのが実感し辛い」というのは、その通りであると思います。
一方で、「腕を上げる方法がわかりづらいジャンルである」というのは、意外と違うかもという感覚が個人的にはあります。
まず頂いた①~⑤の工程はお手本とも言ってよい素晴らしい流れです。
特に一番重要なのは②です。
「①で決めたジャンルにおいて」「今現在、流行している作品、人気のある作品を複数作品読んで」「それらの作品に何か共通している点がないかを探してみて」「それを箇条書きでもよいので10個くらい書き出してみて、それを全て自分の作品に盛り込む」
ということを繰り返していれば、特にウェブ投稿系作品に関しては、かなり早いスピードで腕があがっていきます。
新人賞投稿系も、ウェブ投稿系に比べると少し速度は劣りますが、確実に腕はあがっていきます。
なので、「腕を上げる方法」自体は、上記のようにテンプレ化されているという意味でかなり分かりやすいです。
これはもはや小説の執筆に限らず、何か成功したいジャンルがある場合には、なんでも適応することができます。
問題なのは、「小説は腕が上がっているのが実感し辛い」という部分かもしれません。
特にウェブ小説に関しては、「腕をあげる」というのは「自作の書籍化打診率を10%あげる」のようなところがあります。
元々書籍化打診率が10%程度の執筆力の人が、頑張って腕をあげたところで書籍化打診率は20%にしかならないので、
結局頑張っても打診が来ない事実は変わらない――という点で、腕があがっているのが実感し辛いというのは確かです。
実はその人の書籍化打診率自体はあがっているのに、という背景があるにもかかわらずです。
これについては、一定のラインにたどり着くまで、
もうとにかく「恐らく自分は小説の腕があがっているだろう」と思い込むことが重要になってくるかもしれません。
書籍化打診率が10%から20%にあがったくらいでは一気に書籍化がいくつも舞い込んでくるようにはなりませんが、
これを繰り返していると、段々打診率が50%から60%……と、2作に1作くらいは打診がかかるようになるという状況が生まれます。
10%と20%では大差がありませんが、10%と50%では、だいぶ差があります。
このくらいの段階になってようやく、「自分の腕はあがった」と自己認識ができる段階になります。
裏を返すと、「50%程度まであがらないと自分の腕があがっているという自己認識はできない」という事実自体をよく認識しておけば、
「あまり自分では実感はわかないが、恐らく腕はあがっているのだろう。だってこういうのは自分で認識しにくいものだから」とかなり良い意味で楽観視をすることができます。
小説執筆というジャンル自体、本来はゆっくりと自分の力を磨いていくジャンルです。
自作が今すぐ書籍化になって印税か賞金をもらえなければ貯金がなくなって死ぬ、といった極限状況でない限り、ゆったりした心構えで小説の執筆について向き合っていくのがよいのではないかと思います。
2024年7月17日に作成した記事
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