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198最終面談199これはダメ200でいつやるの201数学は塾で

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198最終面談199これはダメ200でいつやるの201数学は塾で
198話 最終面談、母の本音
199話 これはダメ、こんな子としてたらダメ、
200話 で、いつやるの?
201話 数学は塾で完結させます


198話 最終面談、母の本音

受験スケジュールはイチローが立てていた。
それでいいかどうかの
確認を中心に面談は進む。
私はこの際だから、
不安や疑問をぶつけてみるつもりだった。
「2月1日2日3日は どうしたらいいか・・・。」
そこはS大がある。
過去に何度か受けていて、
手ごたえがあったときもあったのに
合格できそうで合格できないこの大学。
私はS大が大好きだけど、
去年の受験の得点開示をしてみたら、
数学があまりにできておらず、
辟易としているのが事実なのだ。
過去問で合格点かせめて、
惜しいというレベルまで
得点できるというのなら受けたらいい。
でもどうなのか。
6月にもう一度過去問をやらせたときにはまだ
イチローは合格点まで達していなかったはずだ。
あれから半年たったわけだけど・・・。
私がそんなことばかり言うせいか
イチローはそこの受験を渋っている。
でも受けないのも、
それなりに不安だと言う揺れっぷりだ。
私は問題を見ても難易度を分析できないので
よくは解らないのだけれど、
数学が難しいときと、
さほどでもないときがあるような気がする。
そこの後期は英語がない受験もある。
去年イケメン先生に
「そこならミスしなければとれます。
ぜひ受けてください。」
と言われて、期待して受けたがダメだった。
数学が前期と比べても、
とても難しかったようなのだ。
(注 イチローには)
英語不要だと
英語は苦手だけど、
数学なら得意という多くの子が
そこを狙い定めて受験してくる。
その子達には
ちょっと数学が難しいくらいなど、
へでもないようで、
合格最低点は下がることなく
毎年70%を軽く超えている。
イチローが試験の後
持ち帰った問題を見たイケメン先生も
「この数学はMARCHなどよりよっぽど難しいね。」
と言ったそうだ。
それはイチローごときに
歯が立つわけがないことを意味しており、
案の定玉砕した。
だから・・・迷っていた。 S大の受験を。
でも イケメン先生は ポジティブだし
沢山受ける派だし、
可能性はあるのだから受けたほうがいい
と言ってくるだろうと思っていた。
ところが。
「…ん~。 どうしましょうか。」
と言う。 
私は正直 「へ?」 だった。
先生もそう来ます? みたいな。
それで私は
「S大って、試験日程が
沢山あるのはいいのですけど、
一回の募集人数が少なくなって
高得点の子しか受からない。
だからミスしやすいイチローには
逆に入りづらい受験になっている気がします。
イチローはそこの数学が思うように出来ないし。
去年なんか数学、(低いときは)
たった二割ですよ。二割!」
と言った。
イケメン先生は 言葉を選びながらこう言った。
「…S大、イチロー君と問題の相性が悪いみたいなんですよね。」
先生も取れるはずだと読んでいたのに
ちっとも取ってこないイチローを見てきて
去年とは考え方が変わったらしかった。
相性ねぇ・・・。
「じゃ、止めましょう。」
私は言った。
イケメン先生が難色を示すなんて
そりゃよっぽどだ。
受験日がかぶらなくたって、
私がいくらその大学が好きだって、
受からないんじゃ仕方ない。
そこを対策する時間があるなら
その時間を他の大学へかけたほうが
良策だろう。
私の腹は瞬時にくくれたが
イケメン先生はまだ少し迷っているようだった。
「…でも。 となるといきなり
R大の受験になるわけですよね。
それはどうかな…と思うので…。」
少しの間沈黙があった。
イケメン先生は
「この学科の最低点はどのくらいでしたっけ?」
と聞いてきた。
私が最低点にやたら詳しいのを
知っているからだ。
私は即答した。
「そこはレベルを下げたので確か5割前後ですね。」
「ああ。そのくらいなら。
そのくらいなら受けたらどうかな。」
先生は日程表を見つめながら、
首をひねってそう言った。
最初は違う学部を受験するつもりだったイチローが
滑り止めにしようと最低点が低いところを探して
妥協した学部だった。
本命の建築はもっとずっと難しい。
S大に縛られず視点を変えてみてはどうだろう。
そう思った私は
「N大のN日程と言うのも増えましたけどね。
N大にします?」
と言ってみた。
「N日程?」
先生は聞き返す。
「全統みたいなものです。N大でも全統系はダメですか。」 
「うーん。」
イケメン先生から全統系は合格しづらいので
外すように言われている。 
愚問だと思ったけれど
S大が合格しづらいなら
まだマシかもと思ったのだが。
返事を渋る先生に私は説明を付け足した。
「そこは去年までなかったんですよね。
今年からです。
読みづらい受験になるだろうから
不向きだとは思いますけど~。」
イチローはオールマイティに
何でもこなせる子ではないのだった。
「あと・・・、1月受験ですね。」
イケメン先生は言った。
「1月は受けたほうがいいと思います。
去年と同じところでどうでしょう。」
やっぱり受けろと言われたか。
ま、想定内だ。
イチローは乗り気でなかったけれど
イケメン先生に逆らうほどの
ポリシーがあるわけではなかった。
「去年と同じでいいですか。
じゃ、建築じゃなくて数Ⅲ型の、
去年と同じところにしますね。
イチローも近くで受験できるので楽でいいと。」
私はイチローの方を見て
そうよね? と目で合図した。
イチローは
「どうせお試しだし。近くでいいでしょ。」
と言った。
私は先生に確認した。
「・・・でね、先生。そこ・・・取っとかなくて平気かな?」
イケメン先生は意味が解らなかったようで
「受けておいた方がいいと思いますよ?」
と繰り返した。
私は慌てて言った。
「いやいや。違います。 受けるのは了解です。
そこが受かったら、
お金を収めて入学資格を残して
おかなくても大丈夫でしょうか・・・、
と言うことです。」
イケメン先生は え? と言う顔をして、
すぐには何も言わなかった。
私は続けた。
「今年はもう、
受かったところへ行くだけじゃないですか。
さっき押さえに、と
おっしゃっていただいここが取れたならもう最高です。
この上ないです。」
私はそう言いながら目の前に無造作に積まれた参考書の一番上にある、 
イケメン先生がさっき開いた赤本を触った。
そして続けた。
「・・・でもなにせイチローですからね。
確かに後期にもいろいろ受験はありますけれど、
そこまで何もなしで行くなんて
もう考えただけで無理。限界。死にそう。」
私は気づけば机に突っ伏していた。
突っ伏している場合ではないと
ハタと、起き上がり赤本を見つめながら言った。
その先にある先生の目は
何故だか見れなかった。
「東大や、京大の過去問も解けるそうですけど…
偏差値30台も取ってくる子じゃないですか。
本番でどっちが出るかわからないでしょう?」
イケメン先生は
「偏差値30台・・・?」
と意外そうな声で言った。

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