お知らせ クーポン ヘルプ

*無料記事<4>*

テキスト

*無料記事<4>*
苅田 知昭の甘いワイン達<1>

<ソムリエプロフィール>
苅田 知昭 / Tomoaki Karita
cuisine francaise NARITA YUTAKA Manager

<ワイン情報>
生産者:Domaine Alain Brumont Château Bouscassé/ドメーヌ アラン ブリュモン シャトー ブースカッセ
ワイン名:Les Larmes Célestes/レ ラルム セレスト
葡萄品種:Pepit Manseng / プティ マンサン
ワインタイプ:甘口 白ワイン
生産国:フランス
生産地:Sud-Ouest Pacherenc du Vic Bilh/ 南西地方 パシュラン デュ ヴィック ビィル
ヴィンテージ:2016年
インポーター:三国ワイン
参考小売価格:¥2,500(500ml)


 近年世界的に甘口ワインの需要は減り、辛口ワインへ転換している。
世界的な低アルコール化によって食事の後半に飲むケースが多いデザートワイン(甘口ワイン)まで、辿り着くことが少なくなったこともその一つの要因だろう。デザートの味わいのライト化によって、弊店でもデザートワイン代わりに日本酒を出すことも多くなってきた。
 しかしながら、甘口ワインにしかないと言ってもいい特性がある。保存性の高さだ。ワインは開けてしまえばすぐ飲まなくてはいけないイメージがある。甘口ワインは多くの場合抜栓してからなんと1ヶ月を超えても、美味しく飲むことができる。家に一本空けておいて甘いものを食べる時や、ゆったりとした時間のお供に少しづつ飲んでみたり、友人の集まりの際に出して見るのもお洒落かもしれない。私のコラムでは意外と気軽に開けることができる甘口ワインを今だからこそテーマとしてみたい。

 今回のワインの生産地域はフランスの南西地方。ボルドー付近からスペインとの国境にかけての広大なエリアに産地が点在する。12世紀ごろにはそのクオリティの高さから、ボルドーのワイン商に組織的に営業妨害されたほどであったとか。。。近年では新しい生産者の出現により、クラシカルなワインだけでなくナチュラルメイクのワインも出現し、コストパフォーマンスに優れた様々なタイプを作る地域でもある。
 その中でも、一際赤ワインで有名なマディランという地域で作られる白が、このパシュラン デュ ヴィック ビル。プティ マンサンはこの地域原産のブドウ品種で、雨が多いこの地域に適し、完熟してもしっかりとした酸味が残るので、近年では日本でも栽培されたりと、評価を高めつつある品種。辛口と甘口があるが、この凝縮した酸味と甘みをバランスよく併せ持つ甘口が特に素晴らしい!
 作り手のAlain Brumont アラン ブリュモンはこの地域のワイン復興に尽力し、フランスの国家最高勲章を受けた名工。彼の有名なワインの数々は赤ワインではあるが、今回ご紹介する白の甘口も秀逸だ。ラベルにある通り10月、11月、12月とそれぞれの月に遅摘みにしたワインをブレンドして作られる甘口は、蜂蜜のような濃密な甘さがあるものの、プティ マンサン由来の酸味が口いっぱいに広がりとてもフレッシュな印象。蜂蜜、アプリコット、桃、花々の豊かな香りも特徴的。
温度は冷やしめの6〜8℃(家の冷蔵庫から出して注げばこれくらいの温度に)がおすすめ。これくらいが甘みを適度に抑え、プティ マンサンの綺麗な酸味を味わうことができるが、甘口が苦手な人には凍る寸前まで冷やして飲んでもらうのも、より甘さが抑えられていいかもしれない。ワイン単独で飲んでもいいが、家であればシャーベットはもちろん、フルーツをつかったタルトにも。ブルーチーズもいいだろうし、ホームパーティで生ハムやドライフルーツなんかと一緒に用意しておけば、ワインが苦手な人でさえもそのチャーミングさに心を奪われるかも!

<ソムリエプロフィール>
苅田 知昭 / Tomoaki Karita
cuisine francaise NARITA YUTAKA Manager 



1982年栃木県日光生まれ。
臨床心理学を専攻するものの大学時代のアルバイト先の研修旅行でジュヴレシャンベルタンのドメーヌに連れていかれワインをはじめとした飲食、飲料の虜に。株式会社シャノアールにてコーヒー業界から飲食に入るが、カフェインに極端に弱いことが発覚しワインの道へ。イタリアンバル、カフェ、パティスリー、ビストロと様々な業態の立ち上げ。飲料を担当。
飲食以外のジャンルを経験する為、株式会社KDDIの常駐営業として人材育成を担当後、現cuisine francaise NARITA YUTAKAに支配人兼シェフソムリエとして就任。

2018年 JSA シニアソムリエ 取得
営業の傍ら、毎月、若手ソムリエや飲食人、インポーターを集めた勉強会を開催。近年はワインだけでなく、日本酒や焼酎の酒蔵の方も招き、情報提供、普及に尽力している。

<cuisine francaise NARITA YUTAKA >
東京中目黒、目黒川沿いにあるフレンチレストラン。八重桜の季節には満開の桜を見ながら食事を楽しむこともできる。
日本各地の和の食材を使い、昔ながらの食材や地方の食文化が再発見できるフレンチ。
シャンパーニュやブルゴーニュのボトルワインが充実していながら世界各国の豊富なグラスワインの数は都内屈指。ペアリングではワインはもちろん、日本酒、焼酎、紹興酒と幅の広さも定評がある。 

フォロー特典

オンラインサロン情報

SommeTimes

SommeTimes

1,000円/1ヶ月ごと
サロンページを見る

サロン紹介

ワイン専門のオンラインサロン。初級者から上級者まで幅広いワインコラムを配信しています。
運営ツール
DMMオンラインサロン専用コミュニティ

あなたにおすすめの他サロン

おすすめサロンをすべて見る
ページトップに戻る