Mana様 × 九条武政(己龍)

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Mana様 × 九条武政(己龍)

MALICE MIZER / Moi dix MoisのギタリストManaにより1999年に設立されたブランドMoi-même-Moitiéの20周年を記念して開設するオンラインサロンのスペシャルコンテンツ『Mana様×著名ゲストによる緊急対談』。今回は、日出る国 日本から禍々しき音楽をこの世にまき散らす「和製ホラー」&「痛絶ノスタルジック
のコンセプチュアル・バンド己龍から、ギタリストの九条武政氏が登場! 初対面による人見知りを大いに発動しつつ、音楽を共通項に徐々に距離を縮めてゆくMana&九条対談の全てをお伝えします。
(文・構成/本田水奈子)

――九条さんがMana様の存在を初めて知ったのは、何歳くらいの頃ですか?

九条:中学生です。ほんとに昔から知っている大きな存在です。テレビだったり雑誌だったりでずっと見ていた方なのに、いま目の前にいらっしゃるので心臓がもう飛び出そうです。いや、ほんとマジで今日が僕の命日になるかもしれません。
Mana:(コクリ)



――Mana様についてどんなイメージをお持ちでしたか?

九条:どんなバンドマンさんよりも、どんな芸能人やタレントさんよりも世界観が徹底してる。ほんとに世界で一番完璧な人、みたいなイメージです。
Mana:嬉しいことを言ってくれるね(微笑)
九条:ほんとなんです! 完全に世界観が徹底されてるから実在する人物として、あんま受け止められないんですよ。だから僕いま、目の前にいらっしゃるから目に姿が映っているのに「嘘でしょ!」みたいな気持ちが同時に来てるんですよ。

――ぜんぜんMana様と目を合わせませんよね?

九条:いやもう死にそうなんですよ! 
Mana:いや、私もじゃっかん人見知りな部分があるので。
九条:でも僕、このチャンスを逃さないよう頑張って目を見る努力をします!

――事前に九条さんにお書きいただいたアンケートによると、「Mana様に聞きたいこと」として「MALICE MIZER時代の打ち込みについて」と書いていただきましたが。

九条:はい! えっと、Mana様は昔からゴシックやシンフォニックなものを創作し続けていらっしゃるかと思うんですけど、今の時代でこそいろんな音楽に触れる機会を持つことができてDTMも便利になりましたが、MALICE MIZERって誰よりも早かったと思うんですよ。
Mana:割と早い時期から取り入れてたかな、とは思う。
九条:早い時期だった、とかっていうレベルの早さじゃなかったです。あの当時はみんな、バンドサウンドのみでCDを出していた時代だったのに、突出してクラシックの要素だとかバイオリン、ヴィオラ、チェロだとかストリングスの音を打ち込みで使っていたっていうアイディアもスゴイと思うし、引き出しもスゴイと思ってたんですよ。そもそも、参考になる音楽が少ない中で、どこからインスピレーションを受けていたのかとかすごく興味があります。
Mana:なるほど。実は打ち込みの前にギターシンセサイザーというものを使っていて。
九条:はい! ローランドのですよね?
Mana:そう。Köziと私でツインシンセギターを使って、1stアルバムはツインシンセギターでパイプオルガンの音を出したりバイオリンの音を出したりしてたね。その当時はまだ打ち込みではなく、かなり原始的に録音してて。どうやったらパイプオルガンとかバイオリンの音をバンドで表現できるんだろうって模索した結果、最初に行きついたのがギターシンセサイザーだったんだよね。
九条:なるほど! 僕も実はMALICE MIZERを真似してギターシンセを買ったんですよ。
Mana:そうなんだ(微笑)
九条:(笑)むかーしむかしの話なんですけど。でもあれって、反応遅くないですか?
Mana:遅い。
九条:普通にキーボードタイプのシンセサイザーだったら、鍵盤を押した瞬間に音が鳴るじゃないですか。
Mana:そうね。
九条:ギターシンセって音の遅れがあるんですよね。ジャンと弾いても0.5秒くらい遅れて鳴るみたいな。
Mana:しかも初期の頃のはMIDI反応がすごく悪かったから、一歩先に演奏しないと全部遅れるっていう感じだったんだよね。先に先に演奏しなきゃいけなくて、ギタリストとしてはかなりストレスだった。
九条:ですよね! 僕はそれができなかったんです。レコーディングで何テイクも重ねるっていうことでもできなかったんで、それをしていたMALICE MIZERはめちゃくちゃスゴイなって思ってました。プレイヤーとしての演奏技術が高いっていうところはものすごく尊敬しております。
Mana:いや~。
九条:天才です!
Mana:ふふふ。
九条:あ! 「天才です」って僕が言うのも変ですね! 申し訳ありません!
Mana:(微笑)今はギターシンセサイザーは使っていないんだけどね。というのも、今は打ち込みをすれば昔から表現したかったパイプオルガンやバイオリンといった音の表現もギターシンセよりゴージャスに表現することができるので。だから、かつてギターシンセでやっていたものを普通のギターの音で同機演奏にかぶせて鳴らすという方法をとってる。
九条:なるほど。
Mana:ギターシンセだとMIDIケーブルがついたままになってしまうので、ワイヤレスにできないんだよ。今はできるのかな? 当時はできなかったんだけど。
九条:いや、たぶん今もできないんじゃないですかね。ギターシンセに関しては。
Mana:そうだよね。それがすごい不便に感じていて。特にMALICE MIZERはフォーメーションを組んで位置を交代とかするんだけどギターシンセだとそれができないっていうのもあるので。ある程度打ち込みの機能も上がってきた時期に、私はギターシンセを使わなくなった。Köziに関してはメルヴェイユツアー最後の横浜アリーナまで使ってたけど。
九条:ちょっ! スゴすぎる!!!
Mana:『au revoir』のヴァイオリンの部分は横アリでもKöziがギターシンセで演奏してたね。
九条:生で演奏することにこだわった結果ですよね。
Mana:そうだね。私は早めに離脱しましたけど。
九条:(笑)

――そんなMana様から見て、己龍というバンドについて九条さんに聞きたいことはありますか?

Mana:そうだな……、「和」と「ホラー」というコンセプトだよね。
九条:そうですね。
Mana:ホラーは私の得意の分野なんだけど、実は和のホラーってそこまで詳しくないんですよ。
九条:そうなんですね。
Mana:ほとんど洋モノのホラーを見続けていたので。とはいえ、ホラーをコンセプトに掲げているところに共通点を感じていたり。
九条:ありがとうございます!
Mana:で、今回のファッションもちょっと己龍風を意識してみた…ってゆう。
九条:おー! 
Mana:テーマは「コンチネンタル・ゴシック・アサシン」っていう感じ。
九条:(笑)カッコイイ!!
Mana:ちょっとこの辺もね(マスク)。
九条:ですよね! さっきご挨拶させていただいたときに「マ、マスク!?」と思って!
Mana:ちょっと寄せてみました(微笑)
九条:もしかして?! と思ったんですけど、本当にそうだったとは! 
Mana:ええ。
九条:ありがとうございます!!!!
Mana:そちらの今日の装いは……。
九条:えっと今日の装いは、結構いろいろ考えたんですよ。昔から憧れていた雲の上のお方にお会いできるということで考えたんですけど、自分なりの完全な「正装」で行きたいと思って。Full衣装でお会いするのが正しいだろうな、と自分の中で考えた結果そう思って今日はこういう出で立ちにしました。

――衣装のお話でいうと、MALICE MIZER以前と以降ではバンドの衣装というものに変化があったと感じていますが、実際は先輩バンドさんたちやMALICE MIZERの衣装とかぶらないように、というような意識はしているんですか?



九条:してますしてます! その分野ではゼッタイにMana様には勝てないと思っていたので、僕は最初から。己龍というバンドを始める前から勝てないと思っていました。僕らの「和製ホラー」というコンセプトも、他に無いもの、商品価値のあるもの、パクリじゃない真似じゃない、周りにない、尚且つ自分たちでやり切れるものだったり、勝てる、自信があるものを選ぼうということで決めたので。
Mana:和製ホラーをあまり見てきていなかったので、何かお薦めのものがあったら教えてもらいたいというのはある。
九条:そうですね、ベタなやつでいえば『リング』とかですかね。ホラーっていうかなんていうかですけど。
Mana:『リング』はね、しばらく見なかった。すごい怖いっていうイメージがあって。日本のホラーってなんかこう、見たら夢に出てきそうな感じがしない?
九条:たしかにちょっとリアル要素が。
Mana:そうそう。西洋のホラーって客観視が出来るからそんなに怖いとは思わないんだけど、和のホラーはすごく身近な感じがするから、ふと家にいる時に思い出して怖くなったりするでしょ?
九条:それ、ありますね。
Mana:『リング』は当時すごく怖いって噂になってたから、これは見るのやめよう…って思って(微笑)
九条:(笑)けっきょく見なかったんですね?
Mana:いや、期間を置いてブームが落ち着いた頃に、そぉっと見た。
九条:可愛いです! あ、すいません!


と、なんだか初デートのカップルのようなぎこちなく初々しいトークは後半へ。



後半のトピックは…
■おすすめは、YouTuberとカキフライ
■DTM愛好者必見のマニアックな情報交換!
■Mana様の遠い記憶に太鼓の響き…
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《己龍Information》
11/7  幕張メッセイベントホールにて「B.PチャンネルFes.」
11/13  22ndマキシシングル「花鳥風月」発売
11/15 大阪BIGCATを皮切りに単独巡業「花鳥風月」開始
12/16  TOKYO DOME CITY HALLにて己龍生誕12周年記念を被せた千秋楽公演

《撮影協力》
Studio Be
https://studio-be.net/

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