Mana様 × 桜井青

テキスト

Mana様 × 桜井青

MALICE MIZER / Moi dix MoisのギタリストManaにより1999年に設立されたブランドMoi-même-Moitiéの20周年を記念して開設するオンラインサロンのスペシャルコンテンツ『Mana様×著名ゲストによる緊急対談』。今回は、お互いに長年存在を意識しながらもほとんど接点の無かったこの方。桜井青氏(cali≠gari / ヘクトウ / LAB.THE BASEMENT)が遂に登場!マニアックなバンド論を深堀りします!
(文・構成/本田水奈子)

――お二人は今回が初対面ですか?



青:ライヴを観にはいかせてもらってるんです。先日……と言ってももう1年経ってしまいましたが観させていただいて。
Mana:『Deep Sanctuary VI』 ?
青:はい。あ~、うちの石井さんがちゃんとやってるなと。振りまでやってる、と。
Mana:はい、頑張ってもらいました。
青:Mana様とお会いするのは2003年8月にリキッドルームでご挨拶させていただいて。
Mana:なんとなく思い出しました。
青:Mana様にSchwarz Stainを紹介していただいて。
Mana:あ~、そうでしたね。
青:ちゃんとお話するのは今日が初めてです。
Mana:意外とそうなんだよね。cali≠gariに石井秀仁が入ったときに、cali≠gariの事務所から丁寧にCDが送られてきて。
青:あ、そうなんですね! なんかすみません!
Mana:パッケージ凝ってるな~って思いました。
青:(笑)とんでもございません!
Mana:青くんのことは、ヴィジュアル系博士みたいなイメージで。私も『SHOXX』とかの裏のページまで読んでるタイプだったので。
青:読みますよね。UP TO DATEとか。
Mana:インディーズバンドの情報が載ってるページね。私もすごい好きで。Schwarz  Stainもあそこで見つけたようなものだったし。
青:なるほど。
Mana:インディーズバンドは、10代の頃からガッツリ聴いたり情報集めたりしていて、cali≠gariも秀仁がボーカルになる前から存在は知っていたので青くんとは話が合うかなと。結構当時からcali≠gariは独特な立ち位置だったよね。
青:そうだったかもしれませんね。
Mana:アングラ演劇系みたいなイメージだったでしょ。
青:ちゃんとヴィジュアル系はやりたかったんですよ。やりたかったんですけど、ちょうどあの頃Merry Go Roundが復活したんですよ。
Mana:名古屋のはいはい。メリゴ凄いアングラ感貫いていてカッコ良いよね
青:で、Merry Go Roundと対バンさせてもらった時に、「あ、ここまで完璧なものがあるのでは、ウチらがこのシーンにいても仕方がない」みたいに思っちゃって。それで、V系の界隈から消えたんです。
Mana:そうだったの。
青:で、下北の方へ行ったんですよ。
Mana:なるほど。
青:下北に行ったものの、メイクはそのままでやってて。だから変なフィールドで活動してたんです。アングラみたいな感じだったり、演劇寄りだったりとか。
Mana:だって、当時のボーカル坊主頭だったでしょ?
青:そうですね。
Mana:ヴィジュアル系で坊主って、当時はまず考えられなかったからね。やっぱりインパクトはあったと思う。
青:で、何かがきっかけでまたV系に戻ってきたんです。それが何だったかは思い出せないんですけど。初めてCDを出して本八幡のROUTE14に所属っていうか、そこのレーベルにいさせてもらったんですけど、そのあたりから自主企画みたいなものをやり始めて、そこから気がついたら、なんかV系に戻っていたゾっていう。
Mana:そういう流れがあったんだ。
青:なんか雑誌の方が向こうから来てくれたりするようになって。君たちなんかヴィジュアル系じゃないよって言われてたのに。
Mana:たしかに、ヴィジュアル系というくくりで見ると異質な感じはしたからね。
青:気がつけばボーカルも石井さんに代わって。あれやこれやと25年経ちましたね。
Mana:ところで、ギターって、シングルコイル系?
青:そうですね。完全にギターに関しては、昔から間違いなくCIPHERさんの音が好きで。
Mana:あぁ!
青:だから、EMGのSを使ってて、でCIPHERさんがEMGのSAを使ったら自分もSAに持ち変えてたって感じです。
Mana:そこなんだ~。
青:そこですね。今井(寿)さんの音も好きで、今井さんってフェルナンデスのF.G.Iテクノロジーを使っていたので、まあ近い音になるし、と思って。実は自分はあまり音に対してのこだわりがないんですよ。だからバンドを始めた当時のまま今まで突っ走ってきちゃったって感じなんです。
Mana:そうなんだ。じゃあ、ハムバッキングとかは?
青:使わないですねー。レコーディングの時だけ、ものによっては昔は使ってたんですけど今はもうホントに使わないです。もう完全に、ライヴで一人で再現できるような音でレコーディングするようにしてるんですよ。重ねないんです。一本で弾ききる感じで。
Mana:なるほど、なるほど。
青:音も特に変えないっていう。こだわりなのかなんなのか、めんどくさがりなのか知らないですけどね。
Mana:私はハムバッキングしか使ったことがないんだけど、でもシングルのカッティングへの憧れは結構ある。
青:ハムって、カッティングって不向きなんですか?
Mana:うん。実はRED WARRIORSが昔好きで。あのシャリーンとしたギターの音がすごい好きなんだけど。
青:わかります。やっぱりSHÄKEさんのシングルコイル一発しかつけてないビルローレンスのあのギターってすごいですよね。
Mana:あの音はさすがにハムでは出ないからね。でも、あの音の鳴りってすごいキレイだし、なんか鋭利なカッティングもグっとくるし、結構憧れてはいたんだけど、今のところシングルは使ったことはないっていう。
青:そろそろ使いたくなりません?
Mana:使ってはみたいけど、今はハムバッキングでEQエフェクトでLOWとかガツーンと削って、シングル風な音を作って演奏してる。
青:多分それはやっぱりMana様のこだわりですよ。シングル使ってしまえば済むのに、そこをハムでやるっていう。
Mana:そうねぇ。よく言えばそうかもね。(微笑)
青:例えばハムのリアだけで、尚且つイコライザーとかをかけてしまうとなんとなくまた違う感じですよね? 音的にも。
Mana:うん。私の音って、リア一発のみしかなくて、トーンもないんですよ。ボリュームとリア一発のみなんで。
青:もう完全に、ハム版のSHÄKEさんみたいな感じですね。
Mana:そうなんですかね。あとちょっとヴァン・ヘイレン意識したり。
男は黙ってワンハムみたいな。
青:なるほど(笑)
Mana:ワンハムにはこだわってるっていう。
青:じゃあもう、フロントには何もないんですね。
Mana:十字架が光ってるだけです(微笑)
青:(微笑)それは結構なこだわりですよ。
Mana:うん。本当は場合によって、フロントっぽいマイルドな音も使いたいんだけど、リアしかないからフロントっぽい音を弾くとなるとエフェクターで作るしかないっていう。
青:なるほど。ソロで演奏する時とか、フロントに切り替えるとなると、結構時間がない場合があるじゃないですか。そういう時は、自分はワウ踏んじゃいますね。
Mana:ほぉ~。
青:ワウをガッと踏んでブーストさせて、ウーマン・トーンにしてしまえば。
Mana:なるほどね。フロント結構切り替え多い?
青:多いですね。
Mana:多いんだ。
青:多いです。ピックアップの切り替えは結構しますね。
Mana:なるほど、そうか。
青:割とカッティングはシャッキシャッキンって方が好きなんですけど、ソロとかは甘い感じが好きなんですよ。
Mana:わかる。そうなるよね。私は結構LOUDNESSが好きだったので、高崎(晃)さんがフロント、リアの切り替えノブを高速でパンパンパンパン!って切り替えるのがむちゃむちゃカッコイイなって思ってた。結構憧れてたんだけど、今は十字架が光ってるから(微笑)
青:十字架大事です!(笑)
Mana:フロントにはもう乗せることができないので。
青:なるほど。なかなかのジレンマですね。なにかもう自分に重荷を科してしまっている
感じですね、それって。
Mana:アームって使ってる?
青:アームは使いたいんですけど、難しくて無理だなって。
Mana:メインギターは何を使ってるの?
青:テレキャスです。
Mana:テレキャスにアームつけるのは邪道みたいな雰囲気あるよね。
青:一応レコーディング専用のギターは持ってるんですよ。それもテレキャスなんですけど、そっちにはアームをつけてあるんです。
Mana:昔と今は違ってて、昔のレスポールとかって絶対にアームはつけちゃいけないっていう風潮があったんだよ。
青:あぁ、そうですね。
Mana:でもいつからか、アーム付きのレスポールが出て時代は変わったなと思ったよね。
青:テレキャスもそうですよね。テレキャスにアームつけるなんてって。
Mana:昔だったらすごいロック的に邪道っていうイメージが強かったと思う。
青:あとサスティナー付けたりだとか。
Mana:サスティナーってフェルナンデスの特許?
青:確かそうじゃないですかね。30年ぶりくらいに新しいサスティナーが開発されたんですよね、ここ2~3年で。
Mana:私はESPなのでサスティナーっていう概念がないんだけど、サスティナーにちょっと憧れてた時期があって。
青:今のサスティナーってネックの真下につけるらしんですよ。で、すごく細く小さくなってて。それなら十字架の邪魔にならないんじゃないですかね。
Mana:へぇ。ESPだとサスティナーの話しは出てこないからね、やっぱり。
青:E-BOW使ってくださいって言われちゃいそうですよね。
Mana:うん。
青:前にE-BOW使ったことがあるんですけど、難し過ぎて「あ、これ無理だ」ってなっちゃって。それでサスティナーに切り替えちゃったんです。
Mana:サスティナーって良いですか?
青:すごく良いです。ほんとどこまでも音が伸びるので。
Mana:やっぱそうなんだなぁ。
青:ただ、電池めっちゃ食います! いちいち切らないとすぐ電池切れちゃうんで。
Mana:そういう難点があるのかぁ。
青:原音で伸びるのと倍音伸ばしてくれるのと、いくつか切り替えが出来るので超便利なんです。だからアンプのそばまで持って行ってフィードバックさせなくても、そのままサスティナーで弾ける。
Mana:え、そうなの!?
青:できちゃうんです。フィードバックっぽい音がサスティナーで出来ちゃうので。
Mana:それは凄いね!エフェクトってあんまり使ってない?
青:結構使ってます。でもほとんどが脅かし系とディレイなので、ひずみはアンプだけで作ってるんですよ。
Mana:かなり楽器専門的な話が続きますがたまにはこういう話もしたいんだよ
女子の方難しいかもですがバンドマンの会話をお楽しみください(微笑)
アンプって何を使ってるの?
青:いろいろですけど、今はKEMPERです。最初はHUGHES&KETTNERを使っていたんですけどEMGとの相性が最悪なんです。カチカチ音がしちゃって。で、そのあとにKOCHに切り替えまして。KOCHはモダンヘヴィ―のプレイヤー向けに開発されたとこもあってアクティブなピックアップにも対応してて。それでいてパッシブの音と錯覚するくらいナチュラルなクランチサウンドも作れるんですよ。で、それからずっと使ってたんですけど、いかんせんツアーで持ち歩くには重くてですね、アレが。それで、プロファイリングしてKEMPERに落ち着きました。KEMPERにしてパワーアンプだけマーシャルにして。マーシャルの上にKEMPER載せてって感じです。
Mana:ちなみに現在私はスピーカーキャビネットはVHTでパワーアンプもVHTで、プリアンプ+マルチエファクターはロックトロンのプロフェシーを使用してます。
で、初期の頃は?
青:JCです。
Mana:120?
青:JC-120 ですね。あとは全部ZOOM9030だけでやってました。
Mana:へぇ。ZOOMは使ったことないなぁ
青:ちょうど、ZOOM9030が布袋さんとか本田さんが使ってるっていうただそれだけで、買っちゃえみたいな感じで。ZOOM9030って実は、2000年くらいまで使ってたんです多分。あれにしか入っていない音があったので。
Mana:MALICE MIZERの時はJCだったんだよ。
青:あれは安定してますからね。
Mana:内蔵のコーラスの響きがJCにしか出ない美しさだったからずっと使ってた。ホントはJC-160が欲しかったんだけど、4発入りのやつ。なかなか出回ってなかったんだよね。
青:そうですね。まあでも重いし120の方が。
Mana:そうなんだよね。
青:リンクとかして使ってたんですか?
Mana:リンク?
青:1chの下の部分と2chの上の部分をつなげて。
Mana:いや、そんな複雑なことはしてないと思う。
青:そうするとパワーが増えて音が立体的になるっていう。
Mana:意外と知らずにシンプルな使い方してたと思う。
青:じゃあ2chですね。
Mana:そういうややこしいことした記憶がないから。
青:まあでもたいていの人は2chですよね、やっぱり。意外とあれのディストーションもいいですよね。
Mana:JCのディストーション!?
青:ディストーションをフル10にするとめちゃめちゃ良いオーバードライブがかかるっていう。
Mana:多分、3~4くらいでちょっとしか使ってないと思う。あとはエフェクトのディストーションの方で補ってたから。
青:結構JCのディストーションをガーっとフルにすることで出る音が好きで、レコーディングで使ったりしてました。あとはMana様がおっしゃっていたようにコーラスがやっぱり、あれしか出せない音だったので。
Mana:美しかったよね。あの揺らぎうっとりする
青:あんま出回らないんですけどJC-120HていうJCのヘッドだけのがあるんですよ。すごく軽いやつなんですけど。それがヘッドだけなのにすごくコーラスの効きが良くって。
Mana:ほぉ。
青:あれならどこに持って行っても、コーラスが使えるからいいです。
Mana:それはちょっと良いな。JCのコーラスはずっと気に入ってたから。いつもレコーディングの時はエンジニアさんに「JCのコーラス風でお願いします」って言って。そうするとだいたい伝わるので。
青:そのJCのヘッドが一個あれば、いつでもかけられるから是非お薦めしたいです。
Mana:それはちょっと探してみようかな。
青:是非是非。





貴重な機材解説からトークは後半へ。
後半のトピックは…
■cali≠gariボーカルにしてMALICE MIZERローディーでもあったI氏にまつわる「本人が絶対イヤがる話」
■マニアックすぎるV系話
■Mana×青 ファッションのこだわり
この続きはサロン会員専用ページにて公開!

続きを表示するには、入会が必要です

Mana様の青薔薇の館

ご入会手続き中に完売することもございます。


販売価格 入会料金 入会/詳細
入会後無料
※退会後閲覧可 詳細はこちら

1,500円/1ヶ月ごと

入会する

サロンに入会中または購入済みの方はこちら

続きを閲覧するには、DMMアカウントへのログインが必要です。


オンラインサロン情報

Mana様の青薔薇の館

Mana様の青薔薇の館

1,500円/1ヶ月ごと
サロンページを見る

サロン紹介

この度、Moi-même-Moitié20周年を記念し、発足したオンラインサロン 。 2020年4月1日からは「Mana様の青薔薇の館」となりリニューアルいたしました。
運営ツール
DMMオンラインサロン専用コミュニティ

あなたにおすすめの他サロン

おすすめサロンをすべて見る
ページトップに戻る