令和型のヤンデレ、ツンデレのキャラの特徴とは?0年代との違い
テキスト
- 内容
- ライブラリ
この記事はプロのラノベ作家が監修しています。
Q.最近、ヤンデレやツンデレがWeb小説で復活してきています。なぜでしょうか?
おそらく、これからが再び人気になっているのは、マイナス要因を排し、美味しさのみを味わえるような工夫がされているからではないか? と考えていますが、いかがでしょうか?
・ヤンデレが廃れた理由。
ヤンデレヒロインが、主人公を愛するあまり、主人公や主人公の恋人を殺傷するような過激さに走った結果、ヒロインがヤバイ奴だと思われて、逆に人気が低下。 (ヒロインが嫌な人間に思える)
・ヤンデレが復活した理由。 主人公が自己犠牲の末にヒロインを助けた結果、ヒロインが責任を感じて「一生、主人公の面倒を見るね!」「あなたに尽くすね!」と重い愛を向けてくるから。
曇らせ。 (ニーズである重い愛に特化) ツンデレもこれとまったく同じで、主人公に対して暴力を振るうような過激なツンによって、単純にヒロインが嫌な奴に見えてしまうことによって、ウケなくなったのだと考えています。
ツンデレが復活した理由も、主人公のことを特に評価していなかったヒロインが、曇らされた結果、重い愛を向けてくる、というやり方で、ツンデレの美味しさを引き出しているからではないかと考えています。
特に主人公の行動によって、周囲の人間が主人公にプラスの感情を向けるようになるというのは、読者からの評価に結びつくため、このニーズに沿う形でツンデレが復活しているのだと考えていますが、いかがでしょうか?
A.まず前提として、ヤンデレやツンデレが「復活」したという言い方には、少しだけ語弊があるかもしれません。
今Web小説で人気を得ているヤンデレやツンデレは、いわば令和のWeb小説時代に向けて再設計されたものであって、昔の「ヤンデレ」「ツンデレ」とはかなり別物になっている、と捉えたほうが実態に近いと思います。
ものすごく本質的なルールとして、現代の読者は次の二つの特性を持っています。
①読者は、自分(=主人公)に迷惑をかけてくる味方キャラクターを嫌う
②読者は、自分(=主人公)の行動や存在によって、感情のコントロールがきかなくなっているキャラクターを好む
重要なのは②のほうです。
たとえば「ヒロインが主人公のことを好きになる」というラブコメの超基本の形も、突き詰めれば「主人公の存在によって、ヒロインが主人公を見るとドキドキしてしまうようになる」=「好きだという感情をうまく抑えられなくなっている」ということなので、②の一種です。
ラブコメの快感の根っこには、この構造があります。
さらにポイントなのは、ヒロインが主人公を好きにならなくても②を達成する方法がある、ということです。たとえば、主人公が大怪我を負って助からないかもしれない、という場面で泣き崩れて普通ではいられなくなっているヒロイン。
これも「主人公の行動によって感情のコントロールがきかなくなっている」という状態なので、読者には強く刺さります。
そして、主人公が何かをした結果としてヒロインが重い愛を向けてくるというのも、「主人公の存在によって、自分の愛の量をコントロールできなくなっている」状態にあたるため、やはり②の一種です。
このように、基本的に②さえクリアしていれば、どのような形であれ読者に人気が出ることが多く、その現象を便宜的に「曇らせ」や「新ヤンデレ」と呼んでいる、というのが現状だと思います。
これに対して、いわゆる平成時代に受けたヤンデレ(旧ヤンデレ)は、どちらかというと病むことによって主人公に迷惑をかける方向——つまり①の要素を含んでいました。
主人公や主人公の恋人を殺傷するといった過激さは、まさに「主人公に迷惑をかけている」わけで、そのため、旧ヤンデレをそのまま現代に持ってきても受けない可能性が高い、ということになります。
ですので、「復活」というよりは、①を排して②に特化する形へと属性そのものが作り替えられた結果、同じ名前で呼ばれている別のものが流行している、という理解がしっくりくるかと思います。
2026年9月9日に作成した記事
エンタメノベルラボに入会するとより高度な情報が閲覧できます。
ぜひ入会してください!
フォローしたサロンの情報を、ご登録のメールアドレスにお届けします。
サロンをフォローする
-
男性向け女性主人公ラノベのテンプレとは?男バディをどうする?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 前提として、女性主人公の作品が完全なる男性向け作品…
テキスト
-
書籍化される小説の特徴とは、テンプレに沿った上でキャラが魅力的な事
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 小説には作者の個性──オリジナリティが一番大事であ…
テキスト
-
女性向け恋愛小説を長く続けるための書き方。長期シリーズにする方法とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 例外はありますが、女性向け恋愛小説を長く続けるため…
テキスト
-
ラノベにおける地の文の役割とは何?小説の本質的なおもしろさとは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 小説の地の文の一番の役割は「読者からキャラクター(…
テキスト
-
読者に好かれるラノベ主人公キャラの3つの条件。初心者向け小説講座
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 読者は、魅力のある主人公キャラを好きになるし求めて…
テキスト
-
ラノベ作家が教える小説のバトルシーンの書き方5つのコツ。初心者向け
この記事の作者はプロのライトノベル作家です。 バトルシーンで一番重要なのはわかりやさ。読者…
テキスト
-
プロ作家志望は一つの小説ジャンルを書くべき?多様なジャンルを書くべき?
プロのラノベ作家が作家志望の質問にお答えします。 ○質問 ・プロ作家を目指すな…
テキスト
-
タイムリープ物のテンプレ。ラノベ作家が教える小説の書き方
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 タイムリープは、数ある小説テンプレの中でも強力なテ…
テキスト
-
プロ作家と小説の批評がし合えるサロン。夏目漱石の木曜会のような場所
小説の質を上げるのに一番良いのは、信頼できる他人から意見やアイディアをもらうことです。 ア…
テキスト
-
Web小説が書籍化されやすくなる3つの考え方。試行回数と回復と分析
この記事の作者はプロのライトノベル作家です。 今回はWeb小説が書籍化されやすくなる3つの…
テキスト
-
長編小説ストーリーの書き方。20万字以降の展開はどう書けば良い?
この記事の作者はプロのライトノベル作家です。 プロ作家デビューした人の悩みで一番多いのが、…
テキスト
-
「望みを叶える魔法の道具」作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画
-
女性向け小説新人賞の受賞、書籍化決定。ラボメンバーのインタビュー
2023年10月4日、エンタメノベルラボで女性向け小説新人賞を受賞、書籍化したメンバーが現…
テキスト
-
小説家として成功するには自分の武器に気づくこと。才能を覚醒させる方法
この記事の作者はプロのライトノベル作家です 小説家の才能とは最初からあるモノではなく、努力…
テキスト
-
ページを捲る原動力。アハ体験によって小説の中だるみを突破する方法
このミス大賞受賞作家:梶永正史先生による講座 謎の提示と解決によって発生するアハ体験によっ…
動画
-
小説の書き方。初心者が犯しがちなミスの代表格とは?序盤の設定渋滞の解決
小説家サロン「エンタメノベルラボ」を主催して、5年以上、いろんな方の小説を批評させていただ…
テキスト
-
小説家になろうからコミカライズ。ラボメンバーのインタビュー
2023年9月20日、エンタメノベルラボで、「小説家になろう」から小説のコミカライズが決定…
テキスト
-
漫画、アニメとラノベ(Web小説)の最大の違いとは?小説のジャンル特性
この記事の作者はプロのライトノベル作家です。 「小説は主人公に自己投影して楽しむメディアで…
テキスト
-
キャラクター文芸の書き方講座「第5回、文体・レーベルについて」
キャラ文芸の文体・レーベルについて 5回に分けて行われるキャラ文芸講座の第5回です。 プロ…
動画
-
物語の鉄則。主人公キャラは善人であるべき。ヘイトコントロール
この記事の作者はプロのライトノベル作家です。 物語をおもしろくする秘訣はヘイトコントロール…
テキスト
オンラインサロン情報
7日間無料
小説家オンラインサロン【エンタメノベルラボ】書籍化&新人賞受賞者多数!
サロン紹介
- 運営ツール
- DMMオンラインサロン専用コミュニティ