怖いまま挙げる。高重量への恐怖心を消さずに扱う技術

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怖いまま挙げる。高重量への恐怖心を消さずに扱う技術

自己ベスト付近になると身体が固まる。ラックに入る前に迷いが出る。一度失敗した重量が「壁」になってしまう。この記事では、恐怖心を消そうとするのをやめて、扱う対象として取り入れる方法をお話しします。

恐怖の種類を分けること、向き合う時期を区切ること、潰れ癖を脳に覚えさせないこと、入り方と緊張を前倒しで決めておくこと、環境で下げられる分は環境で下げること、そして自信を過去の記録ではなく今日の動きから作ることです。

皆さんこんにちは、ノーリミッツ三土手大介です。

恐怖心について先に、私自身の話から始めます。

試合前に400kgを超えるスクワットを行っていた時期、私はラックへ入ることそのものに強い恐怖を感じていました。バーの下へ入る前に色々と考え始めると、身体が固まってしまうのです。ですから、そのセットを行うと決めたら、あとは機械的に感情を捨てて黙々と進めていました。

世界チャンピオンだから怖くなかったのだろう、と思われることがあります。逆です。重くなればなるほど、怖さは大きくなります。

そしてもう一つ、はっきりさせておきたいことがあります。恐怖心に完全に慣れることはありません。なぜなら、強くなればなるほど、恐怖を感じる重量も一緒に上がっていくからです。100kgが怖かった人は、100kgが平気になった頃には120kgを怖がっています。恐怖が消えたのではなく、位置が移動しただけです。

だから、消そうとしないでください。消えないものを消そうとするから、いつまでも「自分はメンタルが弱い」という話になるのです。恐怖心は、消すものではなく、扱うものです。

恐怖には、種類があります

ひとくちに恐怖と言っていますが、現場で見ていると、少なくとも3つの違う顔があります。

・潰れる恐怖:しゃがんだまま立ち上がれなくなったらどうしよう。途中でバランスを崩して後ろへ倒れてしまったらどうしよう。高重量に入る瞬間、頭をよぎるのはこういうことです

・弱くなる恐怖:今のフォームで一度挙がってしまった重量を、正しいフォームへ直そうとすると、その重量が下がります。この「一時的に下がる」ことが怖くて、直せない方は非常に多いです

・休む恐怖:ここで休んだら弱くなるのではないか。せっかく積み上げたものが崩れるのではないか。この恐怖が、無理を続けさせて怪我につながります

3つとも、形は違いますが、恐れているものは同じです。「今より下がること」です。

そして厄介なのは、2つ目と3つ目の恐怖が、長期的には確実に伸びを止めるという点です。長い目で伸ばそうと思えば、一時的に弱くなる時期は絶対に必要です。ここは覚悟を決めて優先順位を付けるしかありません。

一方で、最初の「潰れる恐怖」は、覚悟だけでは処理できません。ここから先は、この潰れる恐怖の話をします。

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