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自由診療と保険診療の垣根

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自由診療と保険診療の垣根

保険診療と自由診療

 日本では、保険診療と自由診療がはっきりわかれています。

 自由診療とは自費診療とも呼ばれ、医療保険が適用とならず、全額自己負担となる診療のことをいいます。保険適用にならない自由診療は、ぜいたくな医療なのかといえば、そんなことはなく、患者にとって必要な医療であることも数多くあります。

 本当ならば、一人一人に適するよう、保険診療と自由診療をくみあわせて行えればいい。しかし、そうした混合診療が、日本の医療制度では認められていません。
自由診療となる医療が一つでも入ってしまえば、初診にさかのぼってすべてが自由診療とされ、全額請求されることになります。

 ところが、その判定のしかたはあいまで、おかしなところがある。それはまさに、法律が生み出すワナのように患者に大きな負担を強いてしまうことが多いのです。
 その一つに性適合手術があります。ぼくは性適合手術も行っていますが、ここにも大きなワナがあり、本当に苦しんでいる人をさらに苦しめています。

 現在、日本におけるLGBTの割合は、人口の7・4パーセントになると推計されています。LGBTとは「レズビアン(女性同性愛者)」「ゲイ(男性同性愛者)」「バイセクシャル(両性愛者)」「トランスジェンダー(性別越境者)」の頭文字をとった、セクシャル・マイノリティ(性的少数派)の総称です。


 また、心は男性でも体は女性など外見の性と内面・心の性が一致してない人を性同一性障害と呼び、体の性に違和感が強くあり、現代社会において非常に辛い生活を送っています。

体と心の性を一致させる性適合手術を希望する人がいれば、しない人もいます。いずれにしても、性一性障害とは先天性のもので、本人に非はまるでない。
医療保険で救済されるべきことです。
 日本でも現在、条件により性適合手術が保険適用になっています。ところが、必要な人に必要な医療がきちんと届くように、法が整備されていません。このため現実には、自費で性適合手術を受ける人が多くなっているのです。

 なぜ、こんなことが起こってしまうのでしょうか。


 心は女性で、男性の体を持って生まれてきた人のケースでお話しします。心と体の性が一致しない苦しみとは、想像を絶するものがあります。
親にも友人にも相談できず、悩み抜いた末に10代でホルモン剤を打つ人が大勢います。女性ホルモンを体内に入れると、体つきが女性らしくなります。これは自由診療になりますが、1回数千円なので、経済的負担も少なくてすみます。
 ところが、ここに法律のワナがひそんでいます。大人になって、性適合手術を受けようと決意したとき、過去に1度でもホルモン治療を自費で受けたことがあると、医療保険を使えなくなるのです。混合診療と判断されてしまうからです。

 性適合手術は、手術の内容によりますが、約280万円はかかります。保険が適用されれば、高額療養費制度を使え、手術費そのものは8万円程度ですみます。しかし、保険適用されなければ、経済的負担から手術を受けられない人も出てきてしまうのです。

 しかも、性適合手術を医療保険で受ける場合、20歳未満の子どもがいてはならない、という意味不明な法律も存在します。

「子どもがいるなら、あなたはお父さん。お父さんは男性ですよね」とし、「でも、子どもが自立したあとならば、戸籍を変えてもいいですよ」という考え方なのでしょう。
これほどの人格否定があるでしょうか。子どもの人格はもちろん守るべきものですが、大人にも大人の人格があります。あまりに短絡的な法律としかいえません。

 こうした現在の価値観から大きく外れた法律によって、医療は縛られているのです。


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