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Hola!オラ、エスパーニャ!! 菊池貴行 <1>
<ソムリエプロフィール>
レストラン サンパウ
マネージャー兼シェフソムリエ
菊池 貴行(キクチ タカユキ)
<ワイン情報>
生産者:Artuke / アルトゥケ
ワイン名:Pies Negros / ピエス・ネグロス
葡萄品種:Tempranillo,Graciano / テンプラニーリョ、グラシアーノ
ワインタイプ:赤ワイン
生産国:スペイン
生産地:Rioja / リオハ
ヴィンテージ:2017
インポーター:ウミネコ醸造
希望小売価格:3200円

「スペインワインといえば、まずリオハ!」
2008年夏、私はワインを学ぶために、リオハのレストランにソムリエとして勤務していました。
その頃のリオハは、2000年代前後絶対点数法のワイン評論家(R.P.としましょう)による世界的な流行に漏れず、スペインを代表するワイン産地でさえ、果実味重視のブームでした。
それから10年。
確実にスタイルは変わり、果実味重視のスタイルから、程よい酸化を促すリオハのトラディショナルスタイルへ。
他の評価よりも、自己表現へ。
「自分たちの恵まれた土地を見直そう」という動きがリオハだけでなく、スペイン中で今、起きています。
この現象は、主に30代から40代の若手醸造家に起きており、リオハでは2016年リオハン・ロール(もちろんロックンロールにかけてます)なるものが、リオハを背負う8つの若い生産者の小規模ワイナリーにより近年結成されました。畑の個性を尊重し、自然に配慮し、リオハにおける理想のワイン造りを掲げ、日々試行錯誤に取り組んでいる若手グループです。
その中で代表的な生産者であるアルトゥケは、アルトゥロとキケの兄弟の名前からとった造語。彼らの父アルベルトはブドウ農家としてリオハの老舗であるトンドニアやクネ、ムガといったところにバルクワインとして売り、生計を立てていました。当時としては典型的なブドウ農家のあり方です。場所はリオハアラベサのバニョス・デ・エブロ。リオハ北部と隣接するバスク州に位置し(リオハはバスク州にもまたがっています)、程よい寒暖の差、夏はカンタブリア山脈により、雨が少ない理想的な気候で、砂地をベースに石灰が混じる土壌。理想的な場所に位置し、ブドウのポテンシャルは当時より評判を得ていました。そこに着眼した兄弟が、ワイナリーを興した流れになっています。
彼らは父の時より評判の良かった9区画のテンプラニーリョをブレンド。標高は600mを超え、90年を超える樹齢もあるそうです。一昔前、リオハ中のワイン畑から良いものだけを選び抜き、「リオハワイン」として名を上げようとする生産者が評価されましたが、「村」を表現する昔ながらの造りの道を彼らは選びました。
伝統を尊び、彼らは足でブドウを踏みます。その足はテンプラニーリョの豊富なタンニンで真っ黒(ピエス ネグロス、黒い足の意。そのままワイン名に)になり、古樽とコンクリートオークで熟成をさせた昔ながらのスタイルを実践しています。そうして生まれた「ピエス ネグロス 2014」は、スミレのような赤い花系の華やかさを中心に、ベリーなどの甘い香りに、ミントのようなハーブ由来の爽やかさがあり、タンニンも控えめで、親近感が得られる味わい。余韻の華やかな香りがより心地よく感じられます。リオハといえば羊肉がとても有名な産地で、リオハでしか生まれないテンプラニーリョ独自の華やかでやわらかな酸が、ピンク色をしたお肉に一層寄り添い、シンプルに塩と羊から出たソースだけのグリルなど、リオハでのディナーには欠かせないスタイルです。
「スペインワインは強すぎる、重すぎる。」という一昔前の価値観を持っている方は、是非試していただきたい1本です。ここ10年で劇的な変化を果たし、世界中に影響を与え続けてきた繊細で冒険心に溢れるペイン料理同様、スペインワインも変わり始め、目の離せない時代に突入しています。
<ソムリエプロフィール>
レストラン サンパウ
マネージャー兼シェフソムリエ
菊池 貴行(キクチ タカユキ)

1978年 東京 深川生まれ。
大学在学中、月島の「スペインクラブ」でスペインワインに目覚める。
本場のワイン、料理を触れにスペインへ。
帰国後2004年のオープンから「サンパウ」にソムリエとして勤務。
バルセロナのサンパウ本店での研修を経て、2006年、同店のシェフソムリエに就任、現在に至る。
その間スペイン政府貿易庁が主催した第1回「ICEX」(シェフ要請プログラム)の日本代表、世界唯一のソムリエとして選ばれ、2007年10月からスペインに国費留学。リオハの二つ星「エチャウレン」や南スペインの二つ星「アトリエ」で研修を積みながら、ワインの作り手と交流を重ねる。
第4回マドリッドフシオンのソムリエコンクールでは、実技試験審査員。
2010年5月、第1回の「カヴァ騎士団(シュバリエ)」に選ばれる。
ミシュラン東京、2つ星を維持。
ワイン雑誌への寄稿やワインセミナー多数。
ワインスクール、レストランマナー講師も勤める。
レストランサンパウ
15年続いた日本橋から永田町ザ・キタノホテル東京内に移転。日本初のスペインミシュランレストランとして、洗練された料理、4千本を超えるスペインワインとともに、国内外のゲストをもてなす。
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